上階からの足音や排水音を軽減するために、ある大手メーカーに防音工事を依頼したが効果がほとんどなかったという相談を受けた。
・遮音パネルを既存のボードに張り付け、梁型を含めてリフォームしたもの
・つなぎ目の処理はパテで埋めてクロス仕上げ
これは大半の防音業者も採用している工法であるが、大きな弱点がある。
・足音など固体音には無力であること。
・つなぎ目から、空気伝播音でさえ漏れてしまうこと。
この二点が致命的な欠陥であるにも関わらず、リフォーム業者、ゼネコン、建築士、防音建材メーカー、通販サイトが推奨している。というか、これ以外に有効な工法を知らないという業界のお粗末な現状がある。
上記の大手メーカーは責任を足らずに逃げたそうで、相談者は私のウェブサイトを見て効果がないことを、あとで知ったそうだ。
後の祭りだった。非常に御気の毒であるが、もっと早くキーワード検索で調べておけば、事前に気づいたかもしれない。
しかし、施主には基本的に責任はない。責任はメーカー・通販業者・施工業者にある。
だいたい、固体伝播音も空気伝播音も同じと考えている無知な業者には対策など不可能である。
解決策をご提示したが、予算問題で保留となった。すでに工事費用を失っていた相談者にはどうしようもなかったのである。