現在、マンションの壁・床の振動音などを薄い防音構造で軽減できる設計手法を持っているのは防音職人を除くと東京の専門業者でもわずかしかない。
それは、現在供給できる防音材を活用して物理的に可能な工法を提示できる業者がほとんどいないからだ。
通販サイトなどで販売されている防音材は性能不足の上、具体的に施工方法を提示できる業者が居ない。
建築士も防音材を活用するための設計はほとんど出来ないという建築業界のお寒い現状がある。
私の取引先でさえ、薄い防音構造による対策は得意ではない。
上記のような内容は多くの担当現場における防音効果を検証しながら改良していくしか方法がないので、そのような手間のかかる作業を20年以上の間、実践してきた専門家など、ほとんど居ないし、ネット上に具体的な実例を探すのも極めて難しいことなのである。
マンションは人が居住する器であるため、必要以上に厚い構造は適用できない。
費用対効果の高い「薄い防音構造」しか需要がないのである。