先日完成した木造住宅のピアノ防音室の依頼者からご報告があり、想定以上の遮音効果が出たとのこと。
今月の確定申告が完了次第、現場のピアノ音響チェックを行うことになった。
私の設計した防音構造は天井も床も薄いが、それ以上に防音壁を38ミリ以内の厚さで収めたことが決め手だった。
他の専門業者の提示した厚さ150~180ミリの防音壁では、大型ピアノが2台配置できないので、すべて却下されていた。
私の提案だけが採用されたのであるが、その理由は薄い防音壁と費用対効果であった。
音漏れを半分以下にしないとピアノ教室を開けないということだった。
このため、近隣の環境や建具の厚さ、天井高、部屋の奥行きとピアノ配置をチェックして出した結論が厚さ38ミリの防音壁を追加することで、音漏れが約20dB減るというもの。
人間の耳では音漏れが1/3~1/4に体感され、近所の人も大分音が小さくなったと確信できるレベルである。想定値はD-50以上であるが、依頼者の報告ではもっと防音効果が出ているようだ。
なぜそう断言できるのかと言うと、依頼者はプロのピアニストであり、スタインウェイの大型グランドピアノを愛用されているからである。
その名器を演奏したり、ご家族に音を出してもらい、ご本人が戸外で確認した結果だ。
これほど確かなことはない。
あとは、私が現場で聴いて音響に問題がなければ、追加対策なしで、そのままピアノ教室にゴーサインが出る。