一般のマンションユーザーだけでなく、建築業者もよく言うのですが、マンションの天井防音施工に関するマニュアルが市販されていないし、ネット上にも有効な情報が見つからないと。
これは正確には間違っている。ちゃんと探せばある。
たとえば、環境省の低周波騒音対策のマニュアルには、低周波音を減衰させるには高比重の遮音制振層を10ミリ以上を確保すると明記してある。
*天井騒音の半分以上が低周波音である。
ある実験をした人の分析データには、250Hz以下の音は中途半端な空気層は共振して吸音効果はない、吸音材を隙間なく詰め込んだほうが音の減衰効果が出ると記載されていた。
*これは私が担当した現場の防音データと合致している。
音響学会のリポートにはマンションの二重天井は重量衝撃音には共振体となり逆効果である。主に63Hz付近の音が遮音低下するという記載がある。
とくに上記の3つの情報は非常に重要であり、これを知らない人には防音設計も施工も出来ないと考えたほうが良いと思う。
マンションの天井防音工事を計画している人は、上記の3つの内容について明確に説明できる専門家に依頼したほうが無難である。
ちなみに、天井に遮音シートなどを張り付けると明記している通販サイト・業者は論外である。